スウェーデンをディスるコピペに対する疑問。(成城トランスカレッジ) http://d.hatena.ne.jp/seijotcp/20060601/p2
chikiさんが林道義氏のホラを論駁したエントリ繋がりでスウェーデンの結婚と離婚についてのエントリ。論駁はchikiさんの記述で十分なので、このエントリでは日本とスウェーデンにおける結婚・離婚の世代的な特徴について述べる。
2004年時点で比べると、日本の離婚率は「1.58」、スウェーデンが「2.22」なので、離婚率はスウェーデンの方が高い。ただ、スウェーデンで5796組離婚が少なければ日本と同率という程度の差なので、著しい違いがあるとは言えない*1
ちなみに「離婚率」というのは人口1000人あたりの離婚件数のことである。離婚率が「3」ということは、男女問わず1000人集めれば、その中で3件/年の離婚があるということを意味している。
世代別にして日本とスウェーデンの表を作ると以下のようになる。
*日本表は厚生労働省人口動態 平成16年 より再集計
*スウェーデン表は *Folkmängd i hela riket, länen och kommunerna 31 december 2004 より再集計(PDF)より再集計
件数で比較すると日本はスウェーデンの10倍離婚している。スウェーデンが「国家的破綻」をしている批判するほど、日本の離婚は少ないわけではない。
また、表からは、スウェーデンの離婚のピークが40代だということが読み取れる。また、50代になると日本は離婚がグッと減るが、スウェーデンでは離婚はなされている。これは日本と大きく違う点である。
このデータをグラフにしてみた。
20代の離婚率は日本の方が高い。つまり、20代に限っては、スウェーデンより日本の方が離婚がなされているということだ。
しかしこの数字は日本の20代が離婚しやすく、スウェーデンの20代が離婚しにくいということを意味してるわけではない。
1年の結婚件数を世代別にみてみると次のようになる。
スウェーデン女性の結婚ピークは30代だが、日本ピークは20代である。つまり、日本では20代で結婚する人が多いため、そのぶん離婚する人も多くなっているのだ。
列パーセントを取ってグラフにすると以下のようになる。
このグラフからは日本女性の結婚の6割が20代でなされていることが読み取れる。一方スウェーデンでは、20代から30代にかけて結婚がなされている。つまり、スウェーデンは日本よりも「晩婚」なのである。
日本とスウェーデンの結婚・離婚の世代的特徴は以上のようになる。
*1:また、日本での離婚は2000年をピークに減少傾向にあることも考慮しなくてはいけない。