井出草平の研究ノート

ギャンブル障害とゲーム障害にはほとんど関連性がない。スウェーデンのコホート研究

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  • Vadlin, Sofia, Cecilia Åslund, and Kent W. Nilsson. 2018. “A Longitudinal Study of the Individual- and Group-Level Problematic Gaming and Associations with Problem Gambling among Swedish Adolescents.” Brain and Behavior 8 (4): e00949.

スウェーデンの青年における個人およびグループレベルの問題のある賭博および問題のある賭博との関連の縦断的研究
目的:本研究の目的は、青年期における問題のあるゲームの長期的な安定性と、第1波(W1)での問題的賭博が3年後の第2波(W2)での問題的賭博と関連するかどうかを調査することであった。 方法:1997年と1999年に生まれたヴェストマンランドの青少年を対象としたSALVeコホートのデータにアクセスし、2波(W2, N = 1576; 914 (58%) girls)に分けて分析した。) W1では13歳と15歳、W2では16歳と18歳の思春期の子どもたちが参加した。思春期の子どもたちは、ゲーム依存症識別テスト(GAIT)、問題ギャンブル重症度指数(PGSI)、ギャンブル頻度を自己評価しました。賭博の安定性は、ガンマ相関、スピアマンのΡ、マクネマーを用いて判断した。ロジスティック回帰分析と一般線形モデル(GLM)分析を行い、PGSIを従属変数、GAITを独立変数として、性別、年齢、民族、W1でのギャンブル行為の頻度とゲーム時間を調整し、問題のあるゲームと問題のあるギャンブルとの関連を調べた。 結果:問題のあるゲーミングは、時間の経過とともに比較的安定しており、γ=0.739、p≦0.001、ρ=0.555、p≦0.001、McNemar p≦0.001であった。さらに、W1での問題的賭博は、3年後に問題的賭博をしている確率を増加させた。ロジスティック回帰のOR = 1.886 (95% CI 1.125-3.161), p = 0.016, GLMのF = 10.588, η2 = 0.007, p = 0.001であった。 結論: 問題のあるゲームは、時間の経過とともに比較的安定しているようである。問題のあるゲームと後の問題のあるギャンブルとの間には関連が見られたが、説明された分散が低いことから、このサンプルでは問題のあるゲームは問題のあるギャンブルの予測因子にはなりにくいと考えられた。