井出草平の研究ノート

親子関係の質の低さが、問題のあるゲームの深刻度を高め、父親との関係はゲーム依存症の予防につながる可能性があり、予防プログラムでは協力的な父親のサポートを活用すべき。システマティックレビュー。

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  • Schneider, Luke A., Daniel L. King, and Paul H. Delfabbro. 2017. “Family Factors in Adolescent Problematic Internet Gaming: A Systematic Review.” Journal of Behavioral Addictions 6 (3): 321–33.

思春期の問題のあるインターネットゲームにおける家族要因。システマティックレビュー 背景と目的 家族の影響は、思春期に問題のあるゲーマーになる可能性に影響することが知られている。本システマティックレビューでは、思春期の問題ゲームに関連する家族要因に関する実証研究で得られた重要な知見を検討した。方法 過去10年間に行われた計14件の研究を評価した。家族関連の変数は以下の通り。a)親の地位(社会経済的地位、精神的健康など)、(b)親子関係(温かさ、葛藤、虐待など)、(c)ゲームに対する親の影響(ゲームの監視、モデル化、ゲームに対する態度など)、(d)家族環境(世帯構成など)。結果 大半の研究は親子関係に焦点を当てており、親子関係の質の低さが、問題のあるゲームの深刻度を高めることを報告している。また、父親との関係はゲーム依存症の予防につながる可能性があり、予防プログラムでは協力的な父親のサポートを活用すべきであると考えられた。考察 大人のゲーマーがゲーム中心の環境で子供を育てていることを考えると、問題のあるゲームの世代間の影響にはさらなる注意が必要である。これまでの研究では、家族の力学を理解するために、両親や他の家族から裏付けとなる情報を収集せずに、青年の自己報告に依存していたため、研究が制限されていました。また、一般人口のサンプルでは、問題のあるゲームの割合が非常に高い(10%以上)ことが報告されており、現在のスクリーニングツールの有効性に懸念が持たれている。結論 青少年への介入は、脆弱な青少年を個人ベースのトレーニングに登録したり、一時的に家族システムから隔離するのではなく、両親の積極的な共同参加を得て、問題のあるゲームに対する家族の影響に対処することができれば、場合によってはより効果的であるかもしれない。