井出草平の研究ノート

調査でSNS利用の後にうつ病質問をするとうつ病の症状の値が高くなる。幸福度の尺度を挟むとよい

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  • Hannah Mieczkowski, A. Lee, J. Hancock, 2020, Priming Effects of Social Media Use Scales on Well-Being Outcomes: The Influence of Intensity and Addiction Scales on Self-Reported Depression. Social Media + Society.

ソーシャルメディア利用尺度の幸福感へのプライミング効果。強度尺度と中毒尺度が自己申告の抑うつ状態に与える影響
ソーシャルメディア上の行動を理解するために、研究者たちは何十もの尺度を作成し、検証してきました。その多くは、ソーシャルメディア利用の強度に焦点を当てたものと、依存性の側面に焦点を当てたものとの2つの主要なカテゴリーに分類されます。中毒性に着目した研究では、ソーシャルメディアの利用がうつ病の報告スコアの上昇と関連していることが多く、強度に着目した研究では、幸福度の向上と関連していることが多い。このような結果の違いは、幸福度の根本的な違いによって説明できるかもしれないが、依存度や強度の尺度がその後の幸福度の測定に及ぼすプライミング効果によるものである可能性もある。本稿では、これら2種類のソーシャルメディア利用尺度について、報告されたうつ病に対するプライミング効果を検証した2つの研究について報告する。ソーシャルメディアうつ病の関連性が異なるのは、うつ病の根本的な違いではなく、調査デザイン自体に起因する可能性を検討した。今回の結果を踏まえて、ソーシャルメディアと幸福感の関係を調査する研究者は、プライミングの影響を軽減するために、ソーシャルメディア利用に関する質問の前に幸福感に関する質問を行う方法を採用することを提案する。

ライミング効果
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B0%E5%8A%B9%E6%9E%9C