井出草平の研究ノート

英国教育省・長期欠席者データ

英国教育省(Department for Education: DfE) が発表している学校の欠席に関する統計 「Pupil absence in schools in England」による長期欠席者のデータ。

2024年度(17.63%): 2024/25学年度の秋・春学期(Autumn and spring term 2024/25)における長期欠席率(Persistent absence: 10%以上の授業欠席)。23年度(19.23%): 2023/24学年度の同期間のデータ(19.23%)。18年度(10.9%): パンデミック前の2018/19学年度の同期間のデータ(10.9%)。

explore-education-statistics.service.gov.uk

1. 全体的な欠席率(Overall Absence)

  • 6.63%(前年同期の6.93%から減少)。
  • 減少傾向にはあるが、パンデミック前の水準(5%未満)よりは依然として高い状態が続いている。
  • 欠席の主な理由は「病気(Illness)」であり、全体の欠席の約半分(3.38%)を占める。

2. 長期欠席(Persistent Absence)

  • 定義: 授業の10%以上を欠席した生徒。
  • 割合: 17.63%(前年同期の19.23%から減少)。
  • 生徒数: 約129万人。
  • 傾向: 前年より改善したが、パンデミック前(2018/19年度の10.53%)と比較すると依然として高水準である。

3. 重度欠席(Severe Absence)

  • 定義: 授業の50%以上を欠席した生徒。
  • 割合: 2.26%(前年同期の2.14%から増加)。
  • 生徒数: 約16万6,000人。
  • 傾向: 長期欠席者が減る一方で、非常に深刻な欠席状態にある生徒は増え続けている(2018/19年度は0.81%であった)。

4. 学校種別・属性別の傾向

  • 学校種別:
  • 小学校(Primary): 長期欠席率は13.31%(前年14.67%から減少)。
  • 中学校(Secondary): 長期欠席率は21.86%(前年23.85%から減少)。
  • 特別支援学校(Special): 長期欠席率は35.21%(前年36.77%から減少)。

  • 経済状況・支援ニーズ:

  • 無償給食(FSM)対象者: 対象外の生徒に比べ、長期欠席になる確率が2.5倍以上高い。
  • 特別支援教育(SEN): SEN認定を受けている生徒の欠席率は、そうでない生徒の約2倍である。

  • 地域差:

  • ロンドンが最も欠席率が低いが、前年比でわずかに悪化した。北東部(North East)が最も欠席率が高い地域となっている。

まとめ

2024/25年度の秋・春学期において、全体的な欠席率や「不登校(長期欠席)」の割合は前年より改善した。しかし、パンデミック前の水準には戻っておらず、さらに深刻な「重度欠席(Severe Absence)」の生徒数は逆に増加しており、問題の複雑化が示唆されている。