アクションゲームをすると課題に対する反応が早くなり、集中力が持続し、ミスも増えない

アクションゲームに関する実験心理の論文。

www.ncbi.nlm.nih.gov https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2871325/(全文)

アクションゲームとはゴッド・オブ・ウォー、Halo UT、グランド・セフト・オート、コール・オブ・デューティなどのことを指すようだ。そういったゲームでは、感覚的で速い情報処理と迅速な行動が求められる。日常生活で起こることよりもはるかに速いペースで意思決定を行い、対応を実行することが必要となる。ゲームの副次的な利得として、こういった意思決定が瞬時に行えるようになるのでは? という研究分野があるようだ。

アクションゲームvs.シムズ

実験の設計

25人のゲームプレイを日頃やっていない者をアクションゲーム(Unreal Tournament、コール・オブ・デューティ2)と対照群(シムズ)に無作為に割り付け。参加者はテスト前後の8~9週間の間に50時間プレイした。

シムズというのは有名なシムシティのようなゲームだが、シムシティは都市の発展をさせる一方で、シムズは住民の生活や人生が対象になっている。

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結果

レーニング前後の4つの課題において、アクションゲームをプレイした被験者は反応時間が短くなり(13%低下)、対照群の参加者の(6%低下)の2倍早くなった。

f:id:iDES:20200505123425p:plain Aがアクションゲーム、Bが対照群(シムズ)

課題は下記の4つ。

  • 運動識別( Palmer, Huk, & Shadlen, 2005)
  • タスク切り替え( Monsell, Sumner, & Waters, 2003)
  • 文字の視覚探索( Castel et al., 2005)
  • ガボールパッチの視覚探索(Cameron, Tai, Eckstein, & Carrasco, 2004)。

速度と正確性

早い意思決定は丁寧さが欠けるため、一般的にはミスが多くなる。速さと正確さは両立しにくい。この論文では衝動性という用語を使っている。例えばFPSで視界に入るものがほとんど敵である場合、速く撃つことに集中してしまい、敵と敵でないものを見極められず、敵できないものを撃ってしまうことである。

実験の設計

ゲームを日頃していない者と熟達したプレイヤーの比較。

A...衝動性と持続的注意力の違いを評価するために使用された注意力の変数のテスト
B...反応時間
C...精度

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結果

熟達したゲームプレイヤー群はゲームをしていない群よりも衝動性は抑えられ、注意の持続性も長かった。一方で、精度は両群に差はなかった。

つまり、熟達したゲームプレイヤーは反応が早く、集中が持続し、ミスは一般の人たちと同じくらいに抑えられていたということである。