VRヘッドマウントディスプレイの長期使用が近視の原因になるか? ということが検討されている論文。
VRで想定される近視のリスク
ニアワーク(近接作業)
pubmed.ncbi.nlm.nih.gov pubmed.ncbi.nlm.nih.gov
顕微鏡の職業的使用は成人の近視に関連
pubmed.ncbi.nlm.nih.gov pubmed.ncbi.nlm.nih.gov
近視の発生と進行に重要な要因として考えられるもの
環境光量
両眼の状態
末梢網膜の屈折状態
これらはVRを使用するときに関連する項目である。
方法
現実世界と仮想世界および、屋内と屋外の環境で40分間の試行を行った後の両眼状態を比較した。眼球成長と近視発達のシグナルが存在する可能性を評価するために、眼脈絡膜の厚さの変化を測定した。
結果
その結果、4つの環境に曝露しても、遠方と近方の両眼姿勢、視線の安定性、収容の振幅、立体視の変化は変わらなかった。VRは眼の両眼状態に悪影響を及ぼすことは確認できなかった。
脈絡膜の厚さはどちらの実世界でも変化しなかったが、VRトライアルの後に有意な肥厚(約10ミクロン)があった(p < 0.001)。
議論
脈絡膜が厚くなることは目にとって悪いように思えるかもしれないが、子どもの近視の進行を抑制することがわかっている。VRは視聴距離が短いためニアワーク(近接作業)のようにも思えるが、近視を誘発する刺激は確認できなかった。
ただ、この研究は若年成人を対象としたもので、子どもにも同じことがいえるかはわからない。子供は瞳孔距離が小さい傾向があり、大人用にセッティングされたVRが、悪影響を及ぼさないかはまだわからない。
雑感
スクリーンが近くにあっても、遠くを見ているため、ニアワーク(近接作業)にはならないため、近視にはつながらないのだろう。
一時期VRで視力が回復したということが話題になった。
VRゴーグルを毎日のように被るようになって5ヶ月程になりますが、何故か視力が回復してきたみたい。
— お休みさん☔ (@0yasum13) 2018年8月2日
検査でも0.3→1.0など。ずっと掛けてきたメガネなしで不安なく車を運転できる事に気づいて驚いてます。
ゴーグルの焦点距離が2mくらいの所にあるという話と関係あるのかな。
真性ではない仮性近視であれば回復するのではないか?という指摘もある。