井出草平の研究ノート

思春期のデジタルテクノロジーの使用によってメンタルヘルスの問題が高まっているというエビデンスはない

https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/2167702621994549journals.sagepub.com

  • Matti Vuorre, Amy Orben, Andrew K. Przybylsky,2021, There Is No Evidence That Associations Between Adolescents’ Digital Technology Engagement and Mental Health Problems Have Increased. Clinical Psychological Science. https://doi.org/10.1177/2167702621994549

思春期のデジタルテクノロジーの使用によってメンタルヘルスの問題が高まっているというエビデンスはない 現代の思春期において、デジタルテクノロジーはいたるところに存在しているが、研究者たちは、それが精神的な健康に悪影響を及ぼし、さらに時間の経過とともに増加することを懸念している。本研究では、デジタル技術の有害性が高まっているかどうかを調べるため、3つの全国代表サンプルを対象に、デジタル技術の利用と精神的健康との関連性の変化を調べた。結果は、テクノロジーの種類とメンタルヘルスのアウトカムによってまちまちであった。過去10年間で、テクノロジーの利用とうつ病との関連性は低下していたが、ソーシャルメディアの利用は情緒的問題との関連性が高まっていた。その他の5つの関連性には変化がなく、性別による関連性の違いも認められなかった。したがって、青少年のテクノロジー・エンゲージメントと精神的健康との関連性が高まっているという証拠はほとんどない。新しいデジタルメディアに関する情報は、比較的短期間に収集されたものであり、それらと精神的健康との関連性の変化について断定的な結論を出すのは時期尚早かもしれない。私たちは、科学者とテクノロジー企業の間で、透明性と信頼性のある共同研究を行うことを望んでいる。

とりあえずアブストラクトだけ。