井出草平の研究ノート

ゲーム障害の評価ツールC-VAT 2.0。(社交)不安障害、PDD NOS、ADHD/ADD、親子関係の問題、様々なタイプの抑うつ気分が併存。

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  • Rooij, Antonius J. van, Tim M. Schoenmakers, and Dike van de Mheen. 2017. “Clinical Validation of the C-VAT 2.0 Assessment Tool for Gaming Disorder: A Sensitivity Analysis of the Proposed DSM-5 Criteria and the Clinical Characteristics of Young Patients with ‘Video Game Addiction.’” Addictive Behaviors 64 (January): 269–74.

ゲーム障害の評価ツール「C-VAT 2.0」の臨床的検証。提案されているDSM-5の基準と、「ビデオゲーム中毒」の若年患者の臨床的特徴に関する感度分析。
臨床医は、ビデオゲームの問題を特定することに苦労している。この問題を解決するために、臨床評価ツール(C-VAT 2.0)を開発し、臨床の場でテストした。この評価ツールにより、DSM-5で提案されている「インターネットゲーム障害」の妥当性を探ることができる。 方法 本研究では、C-VAT 2.0を用いて、ビデオゲーム障害の治療を受けている若者(13~23歳)の臨床サンプル(N=32)を対象に、提案されているDSM-5の基準の感度分析を行った。また、これらの患者の臨床的特徴についても調査した。 結果 患者は全員男性で、ビデオゲームに膨大な時間を費やしていた。半数以上の患者がオンラインゲームをプレイしていた(n=15)。併存する問題は共通しており(n=22)、(社交)不安障害、PDD NOS、ADHD/ADD、親子関係の問題、様々なタイプの抑うつ気分の問題などが含まれていた。C-VATの感度は良好で、提案されたカットオフスコアである9つの基準のうち5つ以上を満たすサンプルの91%が正しく識別されたことが示された。本研究では、健康で極度のゲーマーを対象としていないため、本ツールの特異性を評価することはできなかったが、今後の研究ではこれを優先すべきである。 結論 提案されたDSM-5のカットオフスコアを用いて、C-VAT 2.0は、ゲーム障害の治療を受けているゲーマーのサンプルにおいて、予備的な妥当性を示したが、このツールの識別力についてはさらに研究する必要がある。それまでの間、治療者は個々のケースで機能障害の専門家の判断を用いて偽陽性を避けるように努めることが重要である。