精神障害

単純型統合失調症のまとめと8050問題

単純型について過去にエントリを入れたが、その中で書き残している項目をまとめてこのエントリに入れておきたい。 疫学 単純型統合失調症に該当する症候を持つ者の疫学調査が存在するようだ。アイルランドの一地方で実施されたもので、DSM-IIIから基準Aを除…

統合失調症(単純型)の典型例

www.seiwa-pb.co.jp 仙波純一,神山園子,2012,「統合失調症(単純型)の典型例」『精神科治療学』27(7): 897-901. 「統合失調症(単純型)の典型例」という論文があるため、少し長くなるが症例込みで見ていきたい。 単純型とは下記のように定義されている。 …

単純型・寡症状性統合失調症

単純型よりもさらにマニアックな類型になるが寡症状性統合失調症にもついて見ていきたい。 ci.nii.ac.jp 田中伸一郎,2012,「継往開来 操作的診断の中で見失われがちな,大切な疾病概念や症状の再評価シリーズ 単純型・寡症状性統合失調症」『精神医学』54(7…

ICDとDSMにおける単純型統合失調症の扱い

ICDとDSMにおける単純型統合失調症の扱いについてメモをしておこう。 ICDでの扱い 1977年のICD-9の段階でも「可能であれば控えめに行うべき」と書かれている。1970年代の段階で国際的にこの診断基準は推奨されていなかったことがわかる。 1990年のICD-10での…

Blankenburgの『自明性の喪失』-単純型統合失調症かアスペルガー症候群か

和田信,2016,「『自明性の喪失』にみるBlankenburg, W.の姿勢 : 単純型統合失調症か,それともアスペルガー症候群か」『精神科治療学』 31(6): 755-761. ci.nii.ac.jp 「単純型統合失調症か,それともアスペルガー症候群か」という副題にあるようにBlankenb…

素行障害の特定用語

素行障害とはConduct Disorderのことであり、以前は行為障害と翻訳されていた。翻訳が変化しただけで、同じものを指している。素行障害特定用語が4つあるのでDSM-5から引用しておこう。 サイコパスは様々な意味を含むが、その中核症状は、DSM-5では素行障害…

宮本輝「パニック障害がもたらしたもの」

パニック障害になった有名人の一人として宮本輝がいる。 宮本輝のエッセイに「パニック障害がもたらしたもの」というものがある。 いのちの姿 完全版 (集英社文庫)作者: 宮本輝出版社/メーカー: 集英社発売日: 2017/10/20メディア: 文庫この商品を含むブログ…

精神科の選び方3 ベンゾジアゼピン

以前のエントリの続きである。 精神科の選び方1 ガイドライン 精神科の選び方2 血液検査 今回はベンゾジアゼピン系の薬剤についてである。 最近はベンゾジアゼピンの処方がやり玉にあがることが多い。ベンゾジアゼピンとされる薬剤は主に下記の薬剤である…

精神科の選び方2 血液検査

イントロダクション 前回に引き続き精神科の選び方について。 前回はガイドラインと自分の受けている治療を比較するということだったが、今回は血液検査についてである。 前回は精神疾患以外のほとんどの疾患に応用できる方法だったが、今回はうつ病に限定し…

精神科の選び方1 ガイドライン

イントロダクション 精神科の選び方について相談をされることが度々あるので、まとめてみたい。 精神科選びというのはかなり難しい。治療方法が複雑なので説明が尽くせないということもあるが、一般的に悪手とされているものでも、会心の一手であることも稀…

ヒステリー性パーソナリティ障害

時折、ヒステリーの話であったり、ヒステリック・パーソナリティ障害の話をするのだが、いまいち伝わらないことが多いので、ヒステリー性パーソナリティ障害にいついてまとめておきたい。 ヒステリー性パーソナリティ障害とは古典的ヒステリーの特徴を持った…

PTSDの諸症状への薬物療法

フラッシュバックなどのPTSDの症状にトピナ(トピラマート)が有効なのかという問い合わせをいただいたので、これを機にPTSDへの薬理学的介入について少しまとめてみることにした。 まずはファースト・ラインの薬物から。イギリスNHSが出しているNICEガイドラ…

看護師のチームリーダーと一般の看護師のストレスの比較

チームリーダーと一般の看護師のストレス因子を比較した論文。結果は統計的に有意な差はなかったというもの。看護師のストレスはリーダーか否かでは変わらない、もしくはこの研究で使われているNJSSという尺度が両者の違いを測るものとしては妥当ではなかっ…

江戸時代の精神障害

精神障害者をどう裁くか (光文社新書)作者: 岩波明出版社/メーカー: 光文社発売日: 2009/04/17メディア: 新書購入: 3人 クリック: 169回この商品を含むブログ (37件) を見る 本の本筋の記述ではないが江戸時代の精神障害についての記述が面白かった。江戸時…

3匹の鳥

こちらは私信みたいなもの。 3匹の鳥がいます。ロナセンはD2受容体の遮断作用と5HT2受容体遮断作用を併せ持つのでSDAに分類されるとのこと。

寛解と回復と反応率

今回は授業へのフィードバックのエントリ。今週の授業でうつ病について喋っていたのだが、寛解と回復の違いを説明しなかったせいか、どうも混乱したようなので、授業プリントを作るついでにこちらにも書いておこうと思う。内容自体は授業に密着したものでは…